ブラジリアン柔術は、「技は力に勝る」というひとつの大胆な考えから生まれました。励ましの言葉としてではなく、力学として。
力ではなく、テコを使う
柔術は、角度・フレーム・タイミングが筋力の代わりに働くよう設計されています。フレームとは、骨と骨を積み重ねてつくる骨格の支えのこと。押し返さなくても、自分より重い相手を遠ざけておくことができます。体力を消耗せずにポジションを保てるようになると、体格は勝敗を決める要素ではなくなります。
だからこそ柔術は、若くなくても、力が強くなくても、運動が得意でなくても通用します。これはスローガンではありません。稽古を積んだ小柄な人が、未経験の大柄な相手を制することができる理由そのものです。
まずポジション、極めはその後
初心者は、まず相手を極める方法を知りたがるものです。私たちが最初に教えるのはコントロール。身を守り、距離を管理し、優位なポジションを保つこと。極めを学ぶのは、そのあとです。
この順序こそが、プレッシャーの中でも頼れる柔術をつくります。悪いポジションから極めを狙えば、ポジションも極めも失います。先にポジションを確保すれば、極めは多くの場合、あとから自然についてきます。
プレッシャーの中でも落ち着いて
スパーリングでは、相手に本気で制されようとしている中で、呼吸し、考えることを学びます。多くの人は最初、慌てて30秒で力を使い果たしてしまいます。そうならないことも身体の技術であり、ほかの技と同じように稽古で身につけるものです。
その落ち着きはマットの外でも活きます。ストレスや対立の場面、子どもがいじめに向き合うときにも。マットは、苦しい状況でも平常心を保つための実験室です。
これから始める方へ
始めるのに、体力も柔軟性も筋力も必要ありません。必要なのは、道場に来ること。そして、しばらくはうまくできない自分を受け入れること。あとは技術の仕組みが助けてくれます。8歳でも60歳でも同じです。